むし歯の原因
むし歯になるメカニズムの基礎知識とその治療法
なぜむし歯になるの?
なぜむし歯になってしまうのでしょうか?
むし歯の原因は酸です。
むし歯菌が酸を作りだし、その酸が歯のカルシウムを溶かしてしまい虫歯を作っています。
むし歯菌の大好物は、歯についた食べかすです。
お口の中に食べかすが残っていると、むし歯菌でいっぱいになってしまいます。 だから虫歯を予防するには、しっかりと歯を磨き、食べかすを取り除く必要があるのです。

歯はむし歯菌によって溶かされるだけではありません。
脱灰(だっかい)といって自然に溶けてしまう現象もおこっています。
通常は、歯が脱灰によって自然に溶けてしまっても、唾液の中に含まれているカルシウムやリンで溶けてしまったカルシウムを補充し、再石灰化します。
歯は、この脱灰と再石灰化を繰り返しながら、むし歯を予防しているのです。
脱灰と再石灰化のバランスが取れている状態であれば、むし歯になることはないですが、 歯を磨かないと、この自然な脱灰プラスむし歯菌による脱灰がおこり、バランスが崩れてしまうことで、むし歯が発生してしまうのです。

歯を磨かなくても、キシリトールガムなどを利用すれば、むし歯は防げるんじゃない?と考えている人もいるんじゃないでしょうか。 残念ながら、歯を汚れたままにしていると、カルシウムやリンは吸収されないので、むし歯の予防にはなりません・・。
自覚症状のないむし歯も?!
しみたり痛かったりすると、むし歯になったかも・・と思いますね。
でもそういう自覚症状がなくてもむし歯になっている事があります。
むし歯にはCO、C1、C2、C3、C4と5段階あって、C2以下の場合は自覚症状がほとんどありません。
特にCO(シーオー)という段階では、見た目でむし歯だとは判断できず、まだ完全なむし歯ではない可能性もあります。
でも様子を見る必要がある要観察の歯である事は間違いありません。
C1やC2になってくると完全にむし歯で、削らずに治療する場合と、削って除去する場合があります。削った場合は、そこにつめものを埋めて治療します。
完全にむし歯になり歯を削ってしまうと、歯の再石灰化ではもうどうにもなりません。
1度むし歯になると、もう元の歯には戻せないので気をつけてしっかり予防しましょう。

こんな症状があれば間違いなくむし歯?!
痛みやしみるなどの症状がでてきたら、歯の表面が侵されてきているので、これはもう完全にむし歯です。

C1の場合にはエナメル質が侵された状態ですが、C2になると象牙質まで達し、C3やC4はむし歯が神経や血管部分にまで達しています。
C3になると、神経を取って消毒してからつめものをかぶせるという治療になりますが、
神経を取るために歯を除去するので、歯の根っこ部分しか残すことが出来ません。
C4にまでなってしまうと、ほとんどの場合、歯を抜くしか治療法がありません。