だ液の役割と効果的な分泌法

普段、だ液の分泌を意識して、生活していないと思います。
そんな「だ液」ですが、私たちには、無くてはならないものなのです!

例えば、もし、だ液が無かったならば、どんなことが起きるのでしょうか?

固形の食べ物を飲み込むことができないので、流動食になるでしょう。
そして、デンプンを消化するのが難しくなるため、ごはんも食べられません。
舌は乾燥してひび割れ、食べ物の味も分からなくなるでしょう。
などなど、さまざまな弊害が起こってくると思われます。想像できますか?!

だ液のスゴイ役割と効果を見てみましょう!

◎だ液は、どこから出てくるの?

だ液は、大唾液腺と多数の小唾液腺から分泌されています。
大唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)は、お口の中の開口する管を通じて、だ液を分泌。
小唾液腺は、お口の中の粘膜に広がっていて、その粘膜に開いている出口からだ液を分泌しています。

◎だ液の特徴は?

成分の99%以上は、水分で、亜鉛含有タンパクなどの有機物が0.4〜0.5%、無機物が0.1〜0.3%、ガスから成ります。
その分泌量は、個人差やその日の体調にもよりますが、1日に約1000ml ~1500ml (700ー800mlという文献もあります)

◎だ液の役割は?

だ液中のαアミラーゼによってデンプン質を分解する消化作用や、食物を軟化させ滑らかにし嚥下しやすくする軟化作用。
消化粘膜を保護したり、緩衝作用、食物を湿潤し噛み砕きやすくする咀嚼補助作用、味質を溶解させる溶媒作用、細菌の繁殖を防いだり口腔内をお掃除してくれる清浄作用、水分代謝を調節する作用などがあります。

◎だ液は、食道での逆流胃酸を防御!

だ液は、食道の働きを助ける役割もあります。
食道内の逆流物を胃に押し戻す食道蠕動を嚥下によって促進し、重炭酸で酸を中和。
逆流してくる酸を洗い流す効果があります。
そのため、逆流性食道炎の方の唾液分泌量を計測してみると、正常にコントロールされている方と比べて低下しているそうです。

その他、だ液がむし歯予防に役立つお話、口臭やドライマウスとの関連も以前の記事で確認くださいね。



さて、そんな大事なだ液を効率よく分泌させるためにできることとは…

◎水分を摂りましょう。

だ液の主な成分は、水分でした。なので、1日1.5?を目標に意識して、お水を飲むようにしましょう。
お茶やコーヒー、紅茶などは、利尿作用があるので、『水』を摂るようにしてください。

◎よく噛んで食べる!

咀嚼することで、だ液腺を刺激し、分泌を促進します。
キシリトール配合のガムなどを噛んでも良いでしょう。

◎舌の運動

口を大きく開けて、舌を前に出したり奥にひっこめたりと前後に動かします。
それから舌を前に出して上下、左右に動かします。
最後に、舌を前に出して、唇をなぞるように右回り、左回りでゆっくりと動かします。

口を開けずにする運動は、舌で頬の内側からほうれい腺を押し上げるようにゆっくりと動かします。
または、舌で奥歯から前歯、そのまま反対側の奥歯へとなぞるように動かします。これを、上の歯と下の歯に行います。

最初は、舌が疲れて筋肉痛のように感じるかもしれませんが、
慣れてくると何回もできるようになり、だ液の分泌量も増えます。
無理せず、自分のペースでやっていきましょう。
 

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