硬い歯の敵、バイオフィルムには予防が1番


歯は、水晶とほぼ同じくらい硬い!と言われています。
驚きですよね!
物の硬さの単位には、モース硬度という指標があります。
この指標では、鉄は硬度4、ガラスは硬度5、歯や水晶は硬度7とされています。
つまり、歯は、鉄やガラスよりも硬いのです!

歯の表面の「エナメル質」は、人間の体の中で一番硬い組織で、歯医者で歯を削る機械には、ダイヤモンドを使っているくらいなんです。
ダイヤモンドは、硬度10。地球上で3番目に硬く、実験で確かめられている鉱物ではもっとも硬いそうです。

ちなみに、人間の体の骨は硬度4〜5、爪で硬度2.5なので、歯は骨よりも硬いのもわかりますね。

そんな硬い歯のエナメル質を簡単に溶かしてしまうのがむし歯。
歯垢(プラーク)の中のむし歯菌は、食べ物を食べたり、飲んだりした際に、口の中の糖を利用し酸を作ります。
永久歯の場合では、この酸によってプラークの中の酸性度が、pH5.5〜5.7以下になると、歯の表面が溶け出し「脱灰」という現象が起きます。
この脱灰が進んでいくと、歯が溶け穴が開くむし歯となります。
むし歯は、歯の内部の象牙質、歯髄まで壊してしまい、最悪の場合は、歯を抜くことに…。

『また、歯周病も歯を失う原因となります。
歯ぐきに溜まった歯垢(プラーク)の中の細菌が、歯肉に炎症を引き起こします。
歯を支える土台が溶け、歯が抜けるばかりでなく、歯周病菌の出す毒素が血流に流れ、全身に行き渡り、他の病を引き起こしたり影響を与えたりします。
(糖尿病、早期低体重児出産、冠動脈心疾患、誤嚥性肺炎など)』

さて、近頃では、プラーク(歯垢)のほかに、バイオフィルムという言葉も聞かれるようになりました。
このバイオフィルムが、とてもやっかいなのです!
バイオフィルムへの対処法が、お口トラブルの改善策に欠かせません!

そもそも、プラークは食べカスではなく、菌の塊のことなのですが、この中に、むし歯や歯周病の原因になる菌がたくさんいます。
バイオフィルムは、そんなプラーク内の細菌が集まりがっちりとスクラムを組み、お口の中にへばりついたもののことです。
そして、この細菌集団を防御する壁となり、簡単には落ちません。
朝起きた時のお口の中のネバネバ感。あの正体は、このバイオフィルムなのです。

では、バイオフィルムをもっと身近な例で言うと…
キッチンのシンクや排水口、三角コーナーなど、少し手入れを怠ると出てくるヌルヌルしたもの、これもバイオフィルムの一種なのです。
この状態を放置しておくと、悪臭を発生しますよね?

お口の中も同じなのです。
放っておくと、口臭や虫歯、歯周病などお口のトラブルの原因になります。

バイオフィルムがやっかいなのは、細菌集団を組んで、どこかへへばりつき、簡単には落ちないことです。
しかも、どんどん細菌を取り込んで防御壁を強化していきます。
さらに、抗菌薬をもはねのけるパワーがあり、殺菌することもとても難しいのです。

では、どうやってバイオフィルムに立ち向かえばよいのでしょう?
破壊するしかありません。
毎日の歯みがき。それから、デンタルフロスなどを使って、歯間や歯と歯肉の境目の溝をクリーニング。
仕上げにマウスウォッシュを使うのも効果的です。

ただ、これでも十分にバイオフィルムを壊すことになりません。
少しでも残っていれば、どんどん強化し拡大していくので、定期的に検診しクリーニングすることをおすすめします。
セルフケアでは除去しきれないバイオフィルムや、石灰化して歯石になったものをプロの手で破壊しましょう。

硬くて、丈夫な歯でも、きちんと手入れしなければ、失ってしまうもの。。
歯は、お口の中にある天然の宝石!と思って、大事にしましょうね。
 

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