セラミックの白い歯がすぐできる審美歯科システム
■銀歯は、またむし歯に・・・
歯科医で歯につめものをする時など、従来は歯型をとって銀歯にするという方法が一般的でした。
一流の技工士が製作するとはいっても、どうしてもつめた時に微妙な隙間などが生じてしまうという問題がありました。また歯と金属は、完全に接着することはできません。セメントで間を埋め、組み木の要領で外れにくい形状にして、はめ込んでいるのです。
治療した当初は、通常は問題はないのですが、経年劣化によってその隙間が開いていきます。そこにミュータンス菌が入り込み繁殖して、それが元で2次虫歯になります。
最初は、小さなむし歯の穴だったのに、治療を何度は繰り返すと、残りの歯がだんだんと小さくなり、ゆくゆくは、歯を失うという方がたくさんいらしゃいますので、できるならセラミックの歯(つめもの)を選んでいただきたいと考えています。
◆セレックというシステム
セレックは、医療先進国であるドイツから来たもので、コンピュータで歯の修復物の設計と製作を行うCAD/CAMシステムとなります。
既存の方法のように歯型をとる必要はなく、3D光学カメラを使い患部をスキャンすることで、必要な個所の歯列がモニターに表示されます。それのデータを元にミリングマシンがセラミックの削り出しを行うため、院内で直ぐにセラミックの歯の作成が可能になります。
素材が高精度のセラミックブロックなので耐久性も上がります。臨床研究では15年後の残存率について、従来の治療では68%程度でしたがセレックでは93%程度という報告がされています。それだけ耐久性に優れているとも言えます。
近年知られるようになって来た感があるため、新しいシステムなのではと不安に思う人もいるかもしれませんが、システム開発がされたのは1986年のことで、使用から20年以上の実績を積んでいる治療システムなのです。
◆セレックというシステムのメリット
治療の流れとしては、患部の歯列をスキャンし、次にコンピュータが3D画面上で修復物を設計します。
ミリングマシンという機器がコンピュータ上の設計に従ってセラミックブロックを削り出し、修復物を製作します。
出来たものを口腔へセットすると治療完了と、従来の治療を考えると本当に早く終わるようになります。
目安としては、スキャンから口内への設置まで一日で済むと考えて問題ないでしょう。(歯の神経を抜く治療がある場合などは1日で完了しません)
従来ですと初回に歯を削り歯型を取り、それを技工所に送って修復物が出来るまで1週間程度かかります。
出来た頃にまた歯科医へ行き、修復物をセットし調整して完了ですから、どんなに早くても2回は通院しなくてはなりません。
1回と2回の違いなどそれほどないという人もいるでしょうが、やはり時間拘束が厳しい人にとっては初回で完了するというのは魅力だと思います。
◆セラミックでノンメタル治療を
更に、セレックで使用する素材はセラミックだけとなりますので金属アレルギーの人や、アレルギーになることを心配する人でも大丈夫です。銀歯は金属ですので、アレルギー反応が起こったり、経年によって溶け出した成分が体内に入り溜まることで十年以上が経過してから突然アレルギーになったりすることもありました。
セラミックならその心配がありませんので、これからの治療ではセラミックを考えていく方が安全だと思います。
成分が溶け出すことで歯茎の黒ずみが気になるということもありません。機能性や審美性も向上します。
◆セレックの費用
費用に関しては、従来のセラミック治療と比較すると安くなっています。
審美性、耐久性、治療までの時間、安全性などを考慮すると検討する価値はあるでしょう。
◆セレックの治療の範囲
セレックで可能な治療としては、つめもの(インレー)、前歯や奥歯のクラウン、ラミネートべニアなどがあります。ラミネートべニアというのはホワイトニングでも白くすることが困難な歯に、薄く削った(つけ爪のような)セラミックを貼りつけることで好みの白さにするためのものです。
ただし、貼りつけるために自分の歯の表面を1mm以内の範囲で削りますので、どんな歯にでも必ず使用出来るわけではありません。来院いただきご相談ください。