口内が乾いている状態「ドライマウス」を放置しないで


ドライマウスという言葉が、この頃よく使われるようになったと思います。ドライマウスになってしまう人も増えているようですが、ドライマウスとは、口内が常に乾いていて、唾液分泌量がとても低い状態のことをいいます。男性よりも女性に多い症状で、40代頃に始まり50〜60代の方にとても多いという傾向がありますが、若い人でも注意が必要です。

唾液の分泌が減り、口が渇いている状態をドライマウスと言います。最近では、ドライマウスになっていても気付かないというケースも多いようです。

ドライマウスになってしまうのは、薬の副作用やストレス、口呼吸、噛む回数が少ないなど、様々な原因があります。ドライマウスになってしまったからといって、それ自体に危険性があるわけではありません。ただ、放っておくと、殺菌作用のある唾液による恩恵が受けられず、様々なトラブルを引き起こしてしまう事も。

 

■ドライマウスによるトラブル
では、ドライマウスになると、どのようなトラブルを引き起こしてしまう可能性があるのか、今から詳しくご説明しましょう。

★虫歯・歯周病
唾液には殺菌作用がありますから、唾液が正常に分泌されていれば、口の中の虫歯や歯周病の原因となる菌を減らしてくれます。
しかし、ドライマウスになり口が乾燥している状態だと、こうした殺菌作用が十分ではなくなり、歯垢が溜まりやすくなって、虫歯や歯周病を進行させてしまう危険性が高まります。

★誤嚥性肺炎
ドライマウスによって虫歯や歯周病が進行すると、その菌が肺に入るリスクも高まり、誤嚥性肺炎を引き起こしてしまう可能性も高まります。

★嚥下障害
唾液の成分であるアミラーゼには、消化吸収を助ける役割がありますが、ドライマウスでアミラーゼが減ってしまうと、消化や吸収がうまくいかなくなり、嚥下障害を引き起こしてしまう恐れがあります。

★味覚障害
唾液の主成分であるガスチンは、味覚を感じる成分でもあります。
ドライマウスによってこのガスチンが減ってしまうと、味覚障害を引き起こすというリスクがあります。

このように、ドライマウスになると様々なトラブルを招いてしまう可能性が高まるので、歯科医院で早めに検査を受け、治療してもらいましょう。ドライマウスが慢性化していると、定期的に歯科医院に通う必要はありますが、慢性化していなければ、1〜3ヶ月程度の治療でドライマウスを改善する事はできることが多いです。

 

◆自覚症状について

◇口内が乾いている。
◇夜中に口内の乾きで目が覚める。
◇パン、ビスケットなどがパサパサして食べ難い。
◇唇が歯にくっつき話し難い。
◇歯茎がヒリヒリして痛む。
◇舌がヒリヒリして痛む。
◇味覚に異常があると思う。
◇虫歯が多い。

これらが主な自覚症状となります。
この中の一つでも思い当たることがあり、更にそれが3ヶ月以上続いているようならドライマウスを疑ってみてもいいかもしれません。ドライマウスだった場合は、早めに治療することをお勧めします。
症状が重くなると、「口内で火事が起きているようにヒリヒリする」、「サンドペーパーで削られているように痛む」という症状がでる場合があります。

 

◆ドライマウスを放置することの問題

放置していると、風邪やインフルエンザなどの病気にかかりやすくなります。虫歯や歯周病、口内炎、口角炎になりやすく、また口臭も発生しやすくなります。
常に口内が乾いている状態が続くことで、誤嚥性肺炎を起こしやすくもなるので注意が必要です。


◆ドライマウスになる理由

理由は様々なのですが、特に多いのはストレスとお口周りの筋力の低下です。
唾液は唾液腺から分泌されますが、強いストレスをうけることで、正常に唾液をコントロールできなくなり、ドライマウスの状態になります。また、お口周りの筋力は唇の周囲の筋肉【口輪筋】のことで、これが衰えていると口呼吸になることが多いため、それが元でドライマウスになってしまうのです。

口呼吸が癖になってしまっているようであれば、筋力をつけるとともに、意識して鼻呼吸をするようにすることも必要かもしれません。

 

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