歯がしみて痛い… 知覚過敏?虫歯?

「何だか冷たいものが歯にしみる…」
こんな経験を持つ人は、きっと多いのではないでしょうか。これは、比較的初期の虫歯にみられる症状です。

歯の表面は「エナメル質」で覆われています。そして、その内側には「象牙質」があり、「歯髄」と呼ばれる歯の神経を包んでいます。歯に付着した歯垢(プラーク)には、無数の虫歯菌が存在し、食事などで摂取した糖分をエサに、酸を作りだしています。この酸によってエナメル質が溶かされることで、虫歯となってしまうのです。冷たいものがしみるのは、虫歯によってエナメル質が溶かされ始めている証拠なのです。

◆虫歯の進行段階と治療法
虫歯には進行段階があり、その状態によって、5つのステージに分けることができます。

<C0>
ごく初期の虫歯で、痛みなどの自覚症状もありません。エナメル質に含まれているカルシウムが流れ出し、表面が白く濁った状態になります。毎日の適切なブラッシングと歯科医院でのクリーニング、フッ素塗布で治る場合もあります。

<C1>
エナメル質がさらに溶け出し、歯の表面に黒や茶色の点が付いたように見えます。痛みは感じませんが、冷たいものがしみることがあります。治療が必要となり、虫歯を削って歯科用のプラスチックを詰めて直します。

<C2>
エナメル質のさらに奥にある、象牙質にまで虫歯が及んでしまい、歯に穴があいた状態です。冷たいものや甘いものがしみるようになり、痛みが出る場合もあります。治療には、インレーと呼ばれる詰め物が使用されます。

<C3>
虫歯が神経にまで達した状態で、熱いものがしみたり、ズキズキとした痛みがでるようになります。こうなると、神経を取って歯に被せ物をしなければなりません。

<C4>
虫歯によって、歯冠部がほとんど失われた状態です。神経が壊死するため、痛みはなくなりますが、放置していると歯根部に膿が溜まって激痛に襲われることも…こうなると抜歯するしかありません。


◆早めの通院をお薦めします
冷たいものがしみるのは、C1もしくはC2の段階であるといえますね。虫歯以外では知覚過敏が原因で、冷たいものがしみる場合もあります。いずれにせよ、おかしいな?と感じたら、早めに歯医者さんを受診しましょうね。

 

◆知覚過敏の原因

◎歯のすり減り
歯がすり減ってしまい、痛みを感じる象牙質がむき出しになってしまうと、知覚過敏になります。
ただ、個人差が大きく、歯のすり減りが大きくても痛みを感じない人もいます。

◎歯が溶ける
お口の中が酸性状態になっているとエナメル質が溶けてしまい、象牙質が露出して、知覚過敏が起きやすい状態になります。

◎歯肉の退縮
強すぎる歯みがきや喫煙、加齢などによって歯茎が痩せて、下がってくると、象牙質がむき出しになり、知覚過敏になってしまいます。

◎虫歯治療
虫歯を削ることで、神経が過敏になり、痛みを察知しやすくなってしまい、治療後に知覚過敏になってしまうこともあります。この場合、日を追うごとに痛みがおさまってくる場合もありますが、痛みが続くようなら神経を除去しなければいけなくなるかもしれません。

◎外傷歯
歯に何らかの外的ダメージが加わり、歯が折れてしまうと、象牙質がむき出しになって知覚過敏になってしまうことがあります。

◎ホワイトニング
ホワイトニングの薬剤の影響で知覚過敏が起こる事があります。ご家庭でのホワイトニングで痛みが生じた場合は、ホワイトニングを中断すれば知覚症状もおさまるはずです。


◆まとめ
このように知覚過敏になる原因は様々です。治療方法としては、露出した象牙質を埋めるように接着剤のようなもので皮膜を作る、神経を除去する、硝酸カリウムを歯磨きに含ませて神経細胞の興奮をしずめる、歯の再石灰化を促進するなどの方法があります。

知覚過敏を予防するには、歯垢が付着しないように、毎日丁寧にブラッシングをすること、定期的な歯科衛生士によるクリーニングが大切です。ただ、歯がしみて痛い場合、必ずしもそれが知覚過敏の症状であるとは言い切れません。虫歯になっている可能性も大きいので、歯に痛みを感じたら早めに歯科医院で診てもらうようにしましょう。

 

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